健康な職場づくり応援団 ◆林朋子◆

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直接セクハラ・間接セクハラ

今月はセクハラの中でも、比較的多くの方が
勘違いしやすいことをご紹介します。

セクハラはパワハラと異なり、相手が性的に不快だと感じたかどうか、
という相手の主観で決まりやすい、ということは広く知られています。
ところでセクハラには直接的なセクハラと間接的なセクハラが
あることはご存じでしょうか。

例えば会社の宴会で、A部長が新入社員Xさんに
「彼氏はいるのか?」「デートはどんなとことに行くのか?」等、
Xさんにとっては答えたくない話題を根掘り葉掘り聞いたり、
酔って軽いボディタッチを繰り返していたとします。
これに対してXさんが嫌だな、、、と不快思えば、セクハラに該当します。
この場合、A部長にはセクハラをしている意識はなく、
その場を和ませようとしたつもりだった、といっても、
Xさんが不快感を持ったと言えばセクハラに該当します。
これが直接的なセクハラです。

一方で、間接的なセクハラは、以下のようなケースです。
例えば先ほどの例で、Xさんは彼氏とのことを皆の前で話すことに
抵抗感を持たない人で、面白おかしく彼氏との話を性的表現を交えて
話していたとします。
A部長のボディタッチも別に気にならないとすれば、この場合、
直接的なセクハラはない、ということになります。
ところが、楽しそうにどんどんエスカレートしていく
二人の会話を聞いているまわりの人の中に、A部長とXさんとの言動を
性的に不快に思う人がいることもありますよね。
このような場合が間接的なセクハラに該当します。

つまり、セクハラの相手とは、目の前にいる直接的な相手だけでなく、
その言動を周囲で見聞きしている間接的な相手も含まれる、ということです。
 
     

また、セクハラの企業責任が問われる「職場」というのは、

業務を行う職場以外にも、懇親会のような宴席も含まれます。
任意参加の宴会であっても、被害者が「社内の人間関係上、
断りにくい雰囲気であった」と言えば、職場と見做されて、
企業責任が問われます。
実際の判例でも、二次会で起きた事案も個人の責任だけではなく、
企業責任も問われています。
また、行為者が管理職である場合は、責任の問われ方も大きくなります。

4月になり、歓迎会の多い時期だと思いますが、
職場の延長線上と見做される宴会での言動は、
間接的にも不快感を持たれないよう、
言動がエスカレートしてきたな、と思ったら
途中で話題を変えていく配慮がセクハラ防止にもつながります。
 

 

2018/04/09