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解雇その2

3月のコンサートは大成功で、参加した方も聞きに来て頂いたお客さんからも大好評でした。
日本で一番大きなカトリック教会でマーラーの復活!
みなさんにいただいた入場料は全て東日本震災被害者遺児へ寄付いたしました)
 

                                    <当日の写真です>

 

という訳で今回は「解雇と退職」について。

似たような言葉に「辞職」とか「離職」、「雇止め」なんてのもありますので、
それらの違いもまとめておきましょう。

そもそも雇用契約(労働契約)も一般の契約と同じで、契約の開始があれば終了もあり、
その終了時には「会社と社員の意思の割合」で言葉が違ってきます。

退職:自己都合退職のこと。雇用契約の終了に社員側の強い意思が入っており、
民法第627条1により退職日は14日先以降の日なら社員側が自由に決められる場合が殆どです。
(民法第627条2の例も僅かにある。)この権利は「形成権」というやつで要は言った者勝ち、
会社側の承認とか許可とか全く必要ありません。

似た言葉に辞職とか辞任というのがありますが、前者は公務員、後者は会社役員
(社員ではない)の際に使われます。

解雇:会社側の意思によって一方的に雇用契約を終了させることです。普通解雇
   は契約上の瑕疵があった場合(労務提供に耐えない)、懲戒解雇はその瑕
疵が重大で責任が重い場合(法令等違反や会社損害が重大)、諭旨解雇は
その中間です。(諭旨解雇は諭旨退職とも表され、過去の功績を考慮する
と懲戒解雇は可哀そうなんて時に使われます。なんせ懲戒解雇は会社員に
とっては死刑みたいなもんで、履歴書に賞罰記載をしないと不実告知にな
るくらいですよ。)

他には整理解雇(リストラ)なんてのもあります。会社都合退職や合意退
職も所詮もこの類と言えるでしょう。(社員側の意思の割合が決して高く
ないので)

しかしいずれの場合も会社側にとってのハードルはとても高く、
労働契約法第16条で会社側の権利濫用が強く規制されています。
客観的に合理的理由を欠き社会通念上相当と認められない場合は無効) 

また懲戒解雇については就業規則等で予め限定列挙された行為以外では解雇できないし、
必ず弁明の機会を与えなくてはなりません。)

ちなみに免職は公務員の解雇のことですが、公務員には労働契約法の制約
が及びませんので(法律の対象外)免職制限がない!キビシイですねー。
(実際には分限免職なんてほとんどないみたいですが。)

雇止:有期雇用契約の終了とともに(期間満了で)会社側が契約を終了させるこ
   と。更新に係る契約内容にもよりますが必ずしも違法ではありません。
   かし社員側の更新の期待が高い状況に合理性があれば(更新なしとなっ
ていたが毎回惰性で更新してたとか上司から期待させるような言動があ
ったとか)無効となる場合もあります。(労働契約法第19条1・2)

また平成25年の労働契約法改正(いわゆる5年ルール)により、この4
月に無期雇用への転換権が発生した方もいらっしゃったのですが、雇止を
受けた方も大変多かったようで、今後の動向が気になるところです。

離職:退職、解雇、雇止。これらすべてをまとめて、雇用関係(労働関係)が終
   したことをいいます。

前回も書いた通りこの項目は常に労使問題の上位で行政通達や裁判例が非常に多く、
中々書ききれるものではありません。もし詳しくお聞きになりたい方がいらっしゃれば
個別にお問い合わせ下さい。

次回は、現在国会で審議中の「働き方改革」の6本柱について。
ここ2~3年で法律の大改正が待ち受けてますので、準備をしたい方は必見ですよ!

ではでは。。。
 

 

2018/05/28