健康な職場づくり応援団 ◆林朋子◆

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二次セクハラの背景にある心理とは

最近、セクハラのニュースが増えてきたと感じますが、
これは世の中でセクハラが増えてきたのではなく、
今まで声を挙げてこなかったことが表に出てきている、
という流れなのだと思います。
ハリウッドから始まった#Me Tooは
日本でも少しずつ増えてきてはいますが、
まだまだ日本では声を挙げた被害者が攻撃を受けて
社会生活ができなくなってしまう、という事例も多いようです。
今回のメルマガでは、二次セクハラの背景にある心理をお伝えします。

 
      

二次セクハラというのは、直接的なセクハラ被害を「一次被害」とすると、
周囲の人に相談したことにより、被害者が二次的に精神的苦痛や実質的な
不利益または被害を受けることを言います。
例えば「セクハラを受けたのはあなたに隙があったからだ」とか
「優秀な上司を一般社員がセクハラで訴えるのはけしからん」
というようなことを言われ、結果的に被害者が会社に居難くなってしまったり、
辞めざるを得なくなってしまったりするようなケースです。
二次セクハラの方が、被害者が受ける精神的ダメージが大きいケースもあり、
二次セクハラで精神疾患を発症してしまい、休職してしまうケースもあります。

このような二次セクハラが起きやすい背景の一つに、
人間誰しもが持っている「公正世界仮説」の影響があると言われています。
これは、世界に安定や秩序を求める心理で、この世の中で起こる出来事は
「公正である」と信じたい気持ちです。
善い行いをしていれば報われ、悪い行いをしている人は痛い目にあう、
世界はそういうものであると信じていた方が心の安定につながるので、
公正世界仮説を強く信じているひとほど、主観的幸福感も高いと言われています。
セクハラの二次ハラスメントも、この心理が影響していることがあります。
特に行為者の社会的地位が高い、仕事のパフォーマンスが高い、といった場合は、
被害者を責める気持ちが湧いてきやすいです。
被害者を責めないまでも、行為者への罰則を他の事例に比べて甘い処分にしてしまう、
というのもその一例です。

このような心理が起きやすいことを「知っておく」ことも、
ハラスメント問題に対処していく上での必要な要素のひとつです。

 

2018/06/12