健康な職場づくり応援団 ◆林朋子◆

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傾聴~相手の“沈黙”を聴く

ラインケアの大切な役割のひとつに「部下の話を聞くこと」があります。

聞くだけなら話すより簡単だと思いがちですが、聞き方の上手い、下手は、

コミュニケーションの質を大きく左右します。

タイミング良く頷いたり、相槌を打ったりすることも、

良い聞き手に求められる要素ですが、「相手が黙っているときに

どのように対応するのか」も、実はとても重要です。

 

しかし、多くの場合、相手が沈黙するとコミュニケーションが

途切れてしまいそうな居心地の悪さを感じたり

何か情報があった方が相手の思考回路が動くのではないかと

考えたりして、聞き手が沈黙を破って話をしたくなります。

 

相手が沈黙したら、こちらもゆったりと沈黙を待つことも大切です。

途中で「うーん、、、」と黙ってしまった相手に対して、

どのくらいの時間、待てますか?

        

「多分、あなたは〇〇だと考えているのかもしれないけど、

私は□□だと思うなぁ。あなたと同じこと、

実は私も経験したことあるんだけどね、結局のところ□□なんだよね~。

だからさ、今は〇〇にしか思えないかもしれないけどね~~~」

という具合で、いつの間にか話し手と聞き手が逆転してしまう場面を

よく見かけます。

相手が考えていることを、わかっているかのような決めつけた

言い方をしてしまったり、自分に起きた良く似た体験を相手の体験と

全く同じ体験だと考えてしまい、相手の現状がよくわかっていると

思い込んでしまうような聞き手になっていることにも、

気を付けないといけないです。

 

現場の管理者には、最低30秒は待ってください、とお話しています。

 

しかし、待つといっても「時間がもったいないなあ、、、」

と考えてイライラした気持ちでいると、自然と相手に伝わってしまい、

相手は落ち着いて考えられなくなってしまいます。

沈黙している相手を観察していると、微妙に表情が変化したり、

何か言いたげに唇が僅かに動いたり、首を傾げたり、

手足が動いたりする等の小さな変化が起きます。

その変化を観察しながら、何かを絞り出そうとしていると

思えるときには、まずは一人で考える時間をとってあげることも、

大切な傾聴になります。

そして相手を観察しながら、相手の気持ちや、何を言いたいのかに

想像を巡らせて、一緒に伴走するような気分で沈黙を聴くことで、

そこから先の対話も大きく変わります。

 

2018/08/17