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なぜ日本は賃金が上がらないのか 人事制度からの考察

今日は大胆な仮説です。
「日本の賃金が上がらないのは目標管理制度が要因である」

先日のメルマガでも目標管理制度の問題点を書きましたが、
大きな問題点の一つが「短期思考になってしまう」こと。
目標管理制度の評価期間は半期で一度見直し通常1年。
その結果、1年以上の長期的な視点で考えることができなくなって
しまいます。(変化が激しい業界では1年は長すぎる)
事業年度は1年なので適正のように思えますが、本来仕事は
そうでは無いですよね。1年で成果が出せる仕事には限りがある。
しかし、1年で評価しようとするから無理が生じてしまう。
それはどういうことか。
目標管理制度では、目標をできるだけ具体化・定量化しようとします。
その結果、本来数値化に馴染まない仕事が無理やり数値化されてしまい、
仕事の目的から少しずれていく。さらに、評価しやすくするために
「コスト削減」や「利益を上げる」という文言が入りやすくなる。

その結果どうなるか。
1年で成果を上げる、、、コスト削減や利益を上げるためには
仕組みを変えたり、イノベーションを起こすことを考えるよりも
取引先からの仕入れコストを削減することが手っ取り早いので、
既存取引先に値引き要求をする。あるいはもっと安いところを探す
取引先からの値上げ要求なんて持ってのほかになってします。
さらに、コスト削減するためには、人件費(自分の賃金)がどれだ
コスト要因になっているかがわかるので、全体の人件費を下げるバイアスが
かかり、人を増やさないという暗黙の圧力を自分にかけてしまう。
それが回り回って、賃金が上がらない構造を自分たちで作ってしまう。
その結果が評価されてしまうので、目の前のコスト削減圧力が
さらに強くなり、時間がかかる取り組みから遠ざかってしまう。

多分最初みんなわかっていたはずです。こんな短期で評価されたら
いいことない、ってことを。しかし、目標管理制度が普及し始めて
約30年経った今、みんなこの制度に在り方が当たり前になってしまい、
麻痺してしまっているのです。
この30年は、日本の賃金が上がらなくなった期間と一致します。

まず目標管理制度をやめてみましょう。仕事や人の成長は、半年や
1年ではなく、5年10年単位。最低でも3年単位で考えましょう
目の前のコスト削減ではなく、仕組みやルールを変え、新しい価値
生み出すことを考えて知恵を絞る。そのために失敗を許容し、失敗の上で
得られる果実を手にする。
そうなった時の社会はこうなって欲しいと思います。

仕入れ先から、「今年も昨年と同じ単価で納品します」と言われたら、
「え、単価あげていいから、もっといいもの納品してよ。昨年と同じじゃ
困るから」という会話が成り立ち、自社も長期視点で技術革新を起こし、
新しい価値を世の中に提供する。そのためにはみんなが生活を充実させ、
動き、遊び、生活を楽しみ、周りの変化や成長を喜び、支援しあう

大袈裟かもしれませんが、目標管理制度をなくすだけで大きく変わります。
評価って大きな力を持っていますから。
     
【今週の1冊】

「自分・この不思議な存在」
1996年 鷲田清一著 講談社現代新書

自分とは何か。時々そんなことを考えてしまいます。
以前、そんなこと考えても答えはないから考えない方がいい。と
アドバイスをもらい、非常に腹落ちしたので、考えないように
していたのですが、手にとってしまいました。

普段は感じないけど、胃の存在を感じる時は、胃の調子が悪い時。
そんな記述があったのですが、自分とは何か。なんて考える時は
要注意なのかもしれませんね。(でも大丈夫です!)

この本のエピローグにも「私がこの本の中で伝えたかったことは
ただ一つ。私はだれ?という問いに答えはない」と書かれています
そうですねよね。答えなんかありません。
それはわかっていても考えてしまうんですよね。

 

2022/01/25

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